京都府の着地型旅行プランで最優秀賞を取った事例 企画書の書き方、課題など

コツコツと取り組んできた成果がここに!
平成23年春、山田啓二京都府知事より「京都匠の巡礼」着地型旅行プランで最優秀賞をいただくまでの経緯と取ってからの変化について細かく解説。

旅行企画萬転が作ってきた着地型旅行プランとは?

私が着地型に取り組み始めたのが2009年(平成21年)の夏頃からです。

それ以前から京都では「町歩き」の観光はポツポツとありました。

まずはその中の一つに参加させて頂き、どんなことをされているのか実際に客として体験してみました。

 

ボランティアガイドさんより的確にお客様目線ででも詳しく話されてましたが、ポイント、ポイントへ行く途中はただ歩いているだけの印象がありました。

それでも普段歩かないところなので珍しがってキョロキョロしながら歩きますが、住民の方の「何?この住宅街に?」という目も多少気にはなりました。

そうなんです、普通の住宅街の中をぞろぞろと歩くんです。

 

自分の近所だったらどうだろう?
自分だったらどう表現すればいいだろう?
いま、みんな(その場のお客さん)はどういう反応してるだろう?
などいろいろ考えながらのツアーでした。

 

他のツアーに参加したのち、自分でぼんやりと考えていたプランを具体化する為、早速一人で自分の思っているコースを歩いて回ってみました

ご近所の住宅街を後ろに誰もいないのにガイドをしていると仮定します。

後ろを振り返りながらブツブツと、自分で思う説明を要所要所で言いながらのシュミレーションです。

周りの人から見れば
あの人、何してるの?ちょっといっちゃった?
って感じに映ったのではないでしょか?

 

そしてこのシュミレーションを2・3度繰り返しできたのが
「西陣の職人たちと出会う旅」です。

もともと私が思っていたのが他にまねのできない特別感のあるツアーでしたので、普通の街歩きと差別化する為、西陣織りに焦点を絞り工程ごとに工房に立ち寄るものにしました。

その分、他の町歩きより倍以上の料金設定にし、お客様にも本当に興味のある方のみ集まって頂けるように工夫しました。

実はこのツアー以外にも数個ツアーは作っています。

 

祇園ナイトツアー」:
祇園のクラブを3軒ほどハシゴし、祇園ツーになってもらう企画。

 

〇〇寺の早朝特別拝観」:
通常営業時間前に特別にお庭の見学をさせてもらい、素晴らしい景色をひとり占めする企画。

 

などなど、これらはまたの機会に詳しくお話しできればと思います。

 

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京都匠の巡礼とは?

最優秀賞を取った「京都匠の巡礼」とは
京都府観光ブランド推進事業の一環として、京都府における観光魅力の開発を推進し、旅行商品の具体化促進を図るため、旅行業者を対象として着地型旅行プランを募集したものです。

 

もう終わった事業ですが参考の為募集要項を抜粋してみました。

要するに旅行会社に対して京都府の魅力を引き出すような企画を作って
コンペをしようということでした。

もちろん、大手旅行会社を中心に色々なプランが出ることが予想されました。

1.目的について

平成22年、京都府観光ブランド推進事業(「京都 味の巡礼」・「京都 匠の巡礼」)の一環として、京都府における観光魅力の開発を推進し、旅行商品の具体化促進を図るため、旅行業者を対象として着地型旅行プランを募集されました。

①プロジェクトの趣旨:

京都の強みを生かしたテーマ(「食」と「匠」(ものづくり)に基づいて、文化との関わりやものづくりの精神(こころ)等、京都の奥深い魅力を生かした質の高い観光を提供します。

②企画コンセプト 「京都匠の巡礼」コンセプト:

日本を代表する京都の伝統工芸は、千年余の都として歴史の中で発展し、職人の磨きぬかれた伝統の技と洗練された感性により創作されました。

代表的な西陣織、京友禅、京焼・涜水焼、京漆器、京扇子等はいずれも本物の魅力にあふれる、最高水準の製品(作品)です。

白然と共生し、能狂言、茶道華道等と深い関わりを持ち、日本の伝統文化と生活様式を支えてきました。

また丹後、丹波、山城地域においては、丹後ちりめん、舟量、茅葺き民家、
黒谷和紙等、地域の暮らしをささえてきた職人の伝統技術や技が点在します。

これらを伝承する匠(職人)とのふれあい、創作体験等を通じて、日本の心にふれ、深い感動を創造していきます。

2.応募について:

①応募内容:

・府内全域を対象とした着地型旅行プラン(商品)を前提とした応募とします。

・今回の巡礼プロジェクトの企画趣旨に即した内容であれぱ基本的に各社自由に創造的なプランで可。

さらに実施済み、実施中のプラン、または、平成23年中に実現可能なプランとして、募集行動、提案行動を行えることとします。

例)着地型旅行商品として、パック商品、グループ旅行でのイベント素材、すでに商品化されたプランの発展型なども可。

‘'京都味の巡礼・¨‘京都匠の巡礼”の冠を付与したプランとして、企画商品、パック旅行、グループ団体等に採用、御提案いただける内容であること。

例)”京都匠の巡礼”最優秀プラン○○の体験プランなど。

③報奨金:総額500,000円(「京都 味の巡礼」・「京都 匠の巡礼」それぞれに最優秀賞・優秀賞)

④表彰後の対応:

・プランを表彰された旅行会社とは具体的な商品設定に・ついて打ち合わせさせていただきます。

・表彰企画プランにおいては、今後モデルプランとして京都府で使用する場合があります。

・表彰後の募集、提案の告知手法は紙媒体、WEB等は問いません。

・商品設定後、募集期間終了後の実施に際しての結果報告をお願いします。

「京都 匠の巡礼」募集要項から読み取れるもの

要するに、今まで以上に幅の広い”観光”を展開していきたい。

ついては、今回はコンセプトにもある
職人の伝統技術や技を伝承する匠(職人)とのふれあい、創作体験
を盛り込んだ旅行商品が好まれ、更にその中でも日本の心にふれ、深い感動を与えるものが表彰されそうだということが分かります。

そこで、応募内容には「西陣の職人たちと出会う旅」の内容をより、職人たちとのふれあい、語り、伝統産業”西陣”を深く理解してもらうことを重点的に書くことでより選ばれやすくなると考えました。

ここで重要なのは”ウソ”はダメです!
ウソはすぐにばれます。

企画旅行商品自体には色々な思い、良いところがあるわけですから、その中の何をもっとも表現するかということです。

私はカメラが好きですが、写真を撮るときに景色の中の何処に焦点を合わせるかを考えます。

それと同じことです。

無いものは撮れませんし、合成もしません。

あるもののどこをメインに書くかということです。

 

また、珍しく50万円もの報奨金をかけてくることからも京都府の肝いりなのがわかり、大手をはじめたくさんの募集があることが予想されます。

他と同じような企画では大手エリートの文才にはかないません。

突き抜けた何かが無いとダメということです。

 

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着地型旅行企画応募シートの内容

黄色がシートの内容、赤字が私が注意した事項

・企画タイトル
 インパクトのあるタイトル
・参加者対象イメージ(記入例:熟年、中高年、若者の学生の男女、男性、女性)
 具体性が必要
・企画のポイント(目玉)
 簡潔に
・内容(別紙添付の時省略可)
 具体的にできるだけ読んだ方がイメージ湧くように
 パンフレットを付ける
・表彰後の案内・告知方法・募集開催期間(概略)
*1企画本シート1枚としてください。コピーして使用可、枠の増減可。
*別紙添付可(A4版にて統一してください。2枚まで)
企画のポイントと内容を分かりやすく具体的に書くことでA4用紙2枚にまとめる

ワードでA41枚のフォーマットがあらかじめホームページに添付されていましたので、そちらを用いて赤字の事柄にに注意しながら書いていきました。

企画書の書き方・注意すべき点

上記、応募シートの書き方にも書きましたが、
「書きたいものを書くより、どう思ってもらいたいか読み手を想像して書く
ことが大切です。

 

ダラダラと書くより箇条書きにしましょう。

”です”、”ます”は揃えて読みやすい文章を心がけましょう。

 

もし、あなたが商工会議所商工会に入られているなら、是非職員さんに読んでもらって下さい。

担当者が分からない場合でも取りあえず電話すれば地区担当の方などが親切丁寧に教えてくれます。

これ、経営支援にあたるんです。

こういった会の職員さんは日々色々な助成金や支援金の申請書類に目を通しておられるので、目が肥えているというか、読み手が何を求めているのか的確に教えていただけます。

 

もし、あなたが上記の会などに入会していないなら、配偶者、親、親戚、お付き合いのある銀行の行員などに目を通してもらいましょう。

一番厳しい目で的確に答えてくれるのは配偶者です。
厳しいことを言われても「ありがたい!」と思って下さいね。

より良くなるよう提案してくれているのですから。

 

せっかくあなたが頭をひねって書いたものなので、指摘をされるとついつい反論したくなります。

わかります。
でも絶対に反論してはいけません。

自分なりの思いがあるのはわかりますが、グッとこらえて。

自分に無い視点を与えてもらったとありがたく受け入れないと
次から見てもらえません。

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賞をもらってからしたこと

賞を取ったら早速、ホームページにアップ!
Facebookやツイッター、Lineにもあげてできる限りPRしました。

受賞した知らせがあった時、
表彰状をもらった時、
最低2回はアップしていたと思います。

旅行会社を立ち上げて初めて賞を取ったうれしさもありますが、
いまだに「萬転(又は西河)はどんな仕事してるんやろ?
という人が多いのも事実です。

少しでも知ってもらえればと思いました。

今でも事務所のカウンター近くに飾っています。

 

賞を取って賞金も頂きましたが、それにとどまらず、各種助成金を狙いにいきました。

 

京都府からの最優秀賞を最大限にPRすることで、結果いくつかの助成金を獲得することができました。

なんたって京都府からのお墨付きですから選考になれば強いです。

お陰様で賞金の何倍もの助成金を頂くことができました。

 

今でもホームページなどに掲載していますし、見る人は見ていてくれて信用に繋がっていると思います。

大変ありがたい賞です。

 

「西陣の職人たちと出会う旅」の着地型ツアー自体はもともとポツポツの集客でした。

賞を取ったからといって本来ニッチなキーワードでホームページを見てくれる人が少ないのですぐには増えませんでした。

しかし、知り合いから「こんな企画、ツアーできない?」と企画依頼があったり、呉服屋さん関係から「弊社を企画に入れて何か新しいツアーができないか?」など仕事の幅が広がりました。

お陰様でいろいろなところへ行っても協力的にお話が進み、新しい企画もできやすくなりました。

 

いかがでしたでしょうか?
少しでもこの記事があなたのお役に立てればと思い結構生々しいことも書きましたがこういったことが参考になるんだろうなという思いで書き下ろしました。

 

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着地型観光に取り組まれる市町村様、
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