2020年は1月より旅行業界はもとより新型コロナウイルスの話でもちきりで、3月中旬からはとうとう海外旅行ができなくなりました。
4月には海外旅行に続き、国内旅行も自粛になり、7月22日からのGo Toトラベルキャンペーンから徐々に解除への方向へと向かっていますが、いまだに県をまたぐ旅行への抵抗が根強くあります。
弊社を中心に各旅行会社が取り組んでいる実態を書いてみました。
旅行会社としてのコロナウイルス対策
旅行会社として、今までも鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、新型○○、震災、水害、台風被害など数々の災害を乗り越えてきました。
ただ、今までは地域が限定的であったり、自然災害などは見える災害なのでその地域にさえ行かなければ何とかなりました。
しかし、今回は全世界に広がり、見えない敵と戦うという意味合いから今までとは全く違う惨事となっています。
旅行業界のコロナウイルスの影響
観光関連業としては、中国のお客様が来れなくなった1月末あたりから影響が出ていたようですが、弊社のような国内がメインの旅行会社などは2月中旬ごろからコロナウイルスの為の自粛におりキャンセルの連絡が次々と入りだしました。
しかし、3月中旬ごろまではなんだかんだ言いながらも団体旅行などありました。
さすがに4月に入りピタッと旅行が無くなり、先の予約もほぼ全て取り消し。
新規の問い合わせも全く無くなりました。
そこからはお客様から電話があっても春の旅行の秋、又は冬への延期、又は取消の連絡ばかりです。
変更をかけては取り消しての繰り返しです。
6月中旬からはそれらの電話もなく、静かな日々を過ごしました。
7月22日から「Go Toトラベルキャンペーン」が始まるも、コロナウイルスの第2波と重なり、個人のお客様が数件あるだけで期待するものはありません。
「Go Toトラベルキャンペーン」では、旅費の35%を旅行会社が立替、月末ごとに結構な資料を揃えて提出する必要もあり、手間ばかりかかります。
9月中旬になりますが、まだまだ本来の売上の15%もないくらいです。
全国旅行業協会の京都府支部でのアンケート結果でも
「昨年と今年同月の売上対比について」で
前年対比、5月2.1%、6月4.6%、7月13.4%、8月7.5%
という数字ができてきています。
150社中90社が回答した中の平均値なので、かなり信ぴょう性はあると思います。
今後の業績予想でも
対前年比、9月16.5%、10月25.3%、11月19.3%
と出ていました。
これも希望的観測が含まれているものと思われます。
旅行会社としてのコロナウイルス対策への取り組み
コロナウイルスの影響では暗い話ばかりでしたが、旅行会社として何もしていないわけではありません。
社員旅行や組合、大学のクラブやサークルの旅行など団体旅行が無くなった今、これらに営業をかけても無理があります。
そこで、私たちが今できることといえば、募集型の企画旅行になります。
しかも、遠出が敬遠されるこの時期なので、近隣施設などへの日帰りが中心のものになります。
京都では、旅行業協同組合を上げて「じも旅京都」というプロジェクトを立ち上げました。
まずは地元、京都の皆様に京都を深堀して知ってもらい楽しんでもらおうという趣旨のもと、組合員から募集型企画旅行を募り、新たにホームページを作成し、そこに掲載することで、集客を目指しています。
最初はなかなかうまく動きませんでしたが、立ち上げから2か月が過ぎ、広告効果もあり徐々に申込みも増えてきました。
コロナウイルスの状況を見ながらですが、徐々に宣伝範囲を広げ、近畿→全国に拡大させていければと考えています。
海外の手配ばかりをしていた旅行会社もこの取り組みに賛同いただき、企画旅行を作成、催行していただいています。
マイクロツーリズムとは
星のリゾートの社長が最近、マスメディアで「マイクロツーリズム」を提唱していますが、必然的にこれしか今はできることが無いんです。
つまりは、地元という小さな商圏で、その中の観光施設や宿泊施設、各種体験などを楽しんでもらう。
そして、その商圏を少しづつ広げていく。
10月から東京もGo Toトラベルキャンペーンが始まります。
これにより多くの人が観光に動くとの見方もあります。
しかし、私はそう簡単にはいかないと考えています。
なぜなら、まだまだ、漁業体験や農家体験など過疎地への誘客は現地が感染の影響を恐れており、受け入れが厳しい状態が続いているからです。
田舎へ行けば行くほど、コロナウイルスへの抵抗感が強く、他地域の方の受け入れが厳しい状況です。
「東京からの客様30名と伺います」というと断られそうな勢いです。
「京都のお客様だけで10人程度何ですが」といったほうが儲けにはなりませんが、安心して受け入れてもらえるような雰囲気です。
旅行業は「三方良し」でないといけません。
お客様に対し良し、受け入れ施設や地域に対しても良し、そして会社としても良し。
もう少しの間は我慢の時で、小さな商圏で頑張ろうと思います。