独立して旅行会社を起業しようとお考えの皆さんへ

旅行会社を設立・起業するには資格取得から許認可まで様々な手続き、また検討事項があります。
ここでは時系列で何が必要で、どんなことに気を付け、検討していかなくてはいけないのか、どれくらいの費用・期間がかかるのかなどについて詳しく解説していきます。

資格取得が必要

旅行会社をするためには、何はともあれ「旅行業務取扱管理者」という資格が必要になります。

旅行業務取扱管理者には国内と総合の2種類あり、国内は国内旅行のみが取り扱え、総合は海外旅行も取り扱えるものになります。
それぞれ、国家資格となり、年1回の試験があり、合格する必要があります。

試験日・申込日

国内旅行業務取扱管理者試験:通年9月
申込期間は6月~7月

総合旅行業務取扱管理者試験:通年10月
申込期間は7月~8月

早目早目に確認・申込みが必要になります。

試験科目

国内旅行業務取扱管理者試験

・旅行業法及びこれに基づく命令
・旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
・国内旅行実務
・運送機関及び宿泊施設の利用料金その他の旅行業務に関連する料金
・旅行業務の取扱いに関する実務処理

総合旅行業務取扱管理者試験

国内旅行業務取扱管理者試験の内容にプラス
海外旅行実務
(本邦内の運送機関及び宿泊施設の利用料金、その他の本邦内の旅行を取り扱う旅行業務に関連する料金)(その他本邦内の旅行を取り扱う旅行業務に関する実務)(本邦外の運送機関の利用料金、その他の本邦外の旅行を取り扱う旅行業務に関連する料金)(旅券の申請手続、通関手続、検疫手続、為替管理その他の本邦外の旅行を取り扱う旅行業務に必要な法令)(本邦及び主要国における出入国に必要な手続に関する実務)(主要国の観光)/(本邦外の旅行を取り扱う旅行業務に必要な語学)/(その他本邦外の旅行を取り扱う旅行業務に関する実務)
が入ります。

その他

合否発表が1~2か月後になります。

テキストや問題集はAmazonや書店にて様々なものが販売されています。

国内旅行業務取扱管理者試験

https://www.anta.or.jp/exam/shiken/setsumei.html

総合旅行業務取扱管理者試験

総合旅行業務取扱管理者試験

個人事業主か会社設立どちらにするのが良いか

事業を興す=会社設立、と考える方も多くおられますが、個人事業主でやっていくという考え方もあります。
事実、弊社も20年間旅行会社を経営しておりますが、当初よりずっと個人事業主です。
個人事業主だからといって、デメリットを感じたことがありません。

会社設立には法人登記が必要になり、その為には30~50万円必要になります。
また、毎年法人税が赤字でもなんでも7万円は必要になります。
個人事業主なら、税務署等へ開業届を出するだけで済みますし、赤字の年は税金は支払う必要はなくなります。

様々なサイトで法人登記しないと社会的信用が・・・とありますが、そのほとんどが司法書士さんが書かれたもので、法人登記してもらわないと儲からないからです。

一般的に年間の純利益が900万円を超えるようなら税法上、法人登記した方が有利といわれています。

個人事業主なら万一、会社が倒産したときなどに、会社の債権者に対して負債総額の全額を支払う責任を負うことになります。
株式会社なら、会社が倒産したときなどは、会社の債権者に対して出資額を限度として、責任を負うだけで済みます。
但し、オーナー社長は金融機関から融資を受ける際には、社長の個人保証を求められるケースが多くあり、会社がお金を返せなくなった場合に、社長個人として借金を肩代わりすることになります。

様々なメリット・デメリットを考慮したうえで決めて頂ければと思います。

旅行会社としての種別を考える

旅行会社と一言でいっても、海外旅行が取り扱える、募集型企画旅行ができるなど様々な種別にわかれています。

第一種旅行業

できること

  • 海外、国内の募集型企画旅行
  • 海外、国内の受注型企画旅行
  • 海外、国内の手配旅行
  • 海外、国内の他社募集型企画旅行の代理販売

基準資産額

3000万円以上

営業保証金

7000万円以上

登録行政庁

国土交通省

第二種旅行業

できること

  • 国内の募集型企画旅行
  • 海外、国内の受注型企画旅行
  • 海外、国内の手配旅行
  • 海外、国内の他社募集型企画旅行の代理販売

基準資産額

700万円以上

営業保証金

1100万円以上

登録行政庁

都道府県庁

第三種旅行業

できること

  • 営業所の所在地とそれに隣接する市区町村内の募集型企画旅行
  • 海外、国内の受注型企画旅行
  • 海外、国内の手配旅行
  • 海外、国内の他社募集型企画旅行の代理販売

基準資産額

300万円以上

営業保証金

300万円以上

登録行政庁

都道府県庁

地域限定旅行業

できること

  • 営業所の所在地とそれに隣接する市区町村内の募集型企画旅行
  • 営業所の所在地とそれに隣接する市区町村内の受注型企画旅行
  • 営業所の所在地とそれに隣接する市区町村内の手配旅行
  • 営業所の所在地とそれに隣接する市区町村内の他社募集型企画旅行の代理販売

基準資産額

100万円以上

営業保証金

15万円以上

登録行政庁

都道府県庁

旅行業者代理店

1社のみの旅行業者から委託された業務を行える種別です。
企画旅行を実施することも不可能。
登録先は都道府県庁。
営業保証金や基準資産額などの財産要件はありません。

旅行サービス手配業

旅行会社からの依頼を受けて、宿泊施設や交通機関などの手配や予約を専門に実施する業者が旅行サービス手配業です。

旅行業協会への入会はすべきか

旅行業界には大きく2つの団体があります。それぞれ日本旅行業協会と全国旅行業協会になります。
どちらもそれぞれ、旅行業務取扱管理者試験などを受け持っています。
入会することで国に預けるべき営業保証金の供与に代えて、弁済業務保証金分担金として営業保証金の1/5の納付で済むなどの便益もあります。

JATA(日本旅行業協会)

大手旅行会社や海外旅行を中心に扱う旅行会社が多いです。

入会金・年会費共に全国旅行業協会より高くなります。

ANTA(全国旅行業協会)

中小の旅行会社が多いです。

 

いずれも法定業務を扱う協会ですが、入会することで旅行会社同士の横のつながりや、関係機関・受入施設などとの交流が広がります。

旅行業登録を行う

協会に入り、旅行業を登録する場合は協会で詳しく教えてくれます。

協会に入らない場合でも、各都道府県の観光課などに連絡を入れると必要書類や書き方など詳しく教えてくれます。
基本的に行政書士さんは必要ないです。

旅行業登録申請時に必要な書類は以下のとおりです。

新規登録申請書
定款または寄附行為の写し
履歴事項全部証明書
役員の宣誓書
旅行業務にかかる事業の計画
旅行業務にかかる組織の概要
直近の法人税の確定申告書および添付書類の写し
旅行業務取扱管理者選任一覧表
旅行業務取扱管理者の合格証または認定証の写し
定期研修修了証の写し
履歴書
宣誓書(役員が管理者の場合は重複提出は不要)
営業所の使用権を証する書類
事故処理体制の説明書
標準旅行業約款
入会確認書または入会承認書
旅行業登録手数料

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