旅行会社の売上げを直撃するバスガイドの料金値上げ

20234月からはじまった全国的なバスガイド料金の値上げについて書いていきます。

結果から言いますと、バスガイドの料金が@2万円(税別)から@3万円(税別)になりました。

 

観光業だけではない日本全体の人件費の流れ

人件費の高騰が連日騒がれていますね。

過去30年間、日本では平均賃金がほとんど変わっていません。

他国はどんどん賃金が上昇し、韓国も今や平均賃金では日本を抜きました。

オーストラリアへワーキングホリデーで行くと時給が日本円に変換すると3,000円のところもあるそうです。

これでは、

「海外に良い人材が流出してしまう」

「物価上昇に合わせ、人件費も上昇を」

ということで、上場企業など特にグローバル企業は一気に人件費をあげてきています。

春闘も軒並み満額回答、又はそれ以上でしたね。

 

うらやましいなあ~と見ている中小のサラリーマンも多くいたことと思います。

「次はうち!」

と思っておられる方も多いのではないでしょうか。

 

観光業界でも例外ではありません。

但し、観光業界は少し意味合いが違います。

 

コロナ禍で退職、休職を進めてきたこの業界ですが、今になって、アフターコロナか、ウイズコロナかわかりませんが、観光客が急に増え、必要人材の獲得がまったく追い付いていません。

 

今まで雇われていた皆さん、一旦違う職につかれたらもう戻ってこないとのことです。

宿泊業の仲居さん、

土産物店の店員さん、

バス業界の乗務員さん、そしてバスガイドさん

宿泊業では、仲居さん不足でせっかくお客様が泊まりたいといっても

全室は解放でき無い状態のところが多いです。

バス会社でも、バスはあるが乗務員がいないので仕事を受けれない実態があります。

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コロナ前のバス&バスガイド事情

スキーバスの事故により、法律が改正されバス料金が一気に上がりました。

これにより貸切バスの利用がじわじわと減り、またバスガイドを付けると更に高くなるためにバスガイドの需要も減っていきました。

但し、修学旅行や昔からのお付き合いのある団体旅行などではまだまだバスガイドを依頼されることもありました。

バス会社も中堅以上のところでは各社バスガイドを雇っていました。

ガイドクラブ(バスガイドの派遣会社)に頼むのは、小規模のバス会社、又は繁忙期などだたっと思われます。

 

コロナ禍のバス&バスガイド事情

コロナ禍になり、バスの需要は激減しました。

需要があったのは唯一、ワクチンの集団接種会場への送迎でした。

それ以外のバスは大半が重量税や点検費用を抑える為にナンバープレートを返納していたくらいです。

バスの利用が無いということは、当然、乗務員さん、バスガイドさんの出番もありません。

出向という形で、全く違う異業種へ行かれたり、退職され違う職につかれたりしました。

いつまで続くかわからないコロナ期なので、致し方ないことです。

 

現在のバス&バスガイド事情

ウィズコロナと言われ、マスク義務が解かれると同時に観光需要が増え始めました。

桜の開花宣言と共にインバウンド需要も急拡大し、どこもかしこもにぎやかになり、貸切バスの需要も修学旅行やインバウンドを中心にではありますが回復しています。

が、ここに来て、乗務員やバスガイドが戻らず不足したままで需要があるにもかかわらず受け入れならない状態となってきています。

各バス会社は自社のバスガイドが減った分、ガイドクラブへ依頼しますが,ガイドクラブの登録も減っている為、人件費をあげて募集をかけることになります。

その結果、@2万円→@3万円になるわけです。

これは受け入れるしかありませんが、お客様にとっては「高いので、ガイド不要で」となりかねず、ガイドの需要が減ってしまうというリスクも備えていると思われます。

 

この辺の事情をやむなしと受け入れてもらえれば、同時に添乗費用なども底上げできれば良いのですが、どうなることやら・・・。

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