旅行会社を開業したばかりの人から、よくこんな相談を受けます。
「旅行商品を作ったのに売れない」
「ホームページを作ったのに問い合わせが来ない」
「SNSで発信しているのに反応がない」
こうした状況の多くは、旅行商品の内容が悪いわけでも、ホームページの出来が悪いわけでもありません。
原因の多くは ターゲット設定のミスです。
旅行業界では「誰に売るか」を明確にすることが集客の成功を左右します。観光マーケティングでは、顧客を細かく分類してターゲットを絞り込む「セグメンテーション」が重要とされており、誰に向けた商品かを明確にすることで集客効率が大きく変わります。
しかし、旅行会社を開業したばかりの人ほど、このターゲット設定を曖昧にしてしまいがちです。
この記事では、旅行会社を開業しても売れない人に共通する ターゲット設定の落とし穴について解説します。
目 次
「誰でもお客様です」という考え方
旅行会社起業で最も多い失敗は、「誰でもお客様です」という考え方です。
例えば次のようなケースです。
・国内旅行を扱います
・団体旅行も個人旅行も対応します
・全国どこでも手配します
・バス旅行も飛行機旅行もできます
一見すると、対応範囲が広くて良さそうに思えるかもしれません。
しかし実際には、これではお客様の心には響きません。
理由は簡単です。
特徴がないからです。
今の旅行業界は非常に競争が激しく、旅行者のニーズも多様化しています。
そのため「誰でも対象」というマーケティングはほとんど機能しません。
旅行市場では、特定の顧客層に特化した ニッチ市場を狙う方が差別化しやすく、安定した売上につながると言われています。
つまり、「誰にでも売る」ではなく「この人に売る」という考え方が必要なのです。
ターゲットを「広く取りすぎる」という落とし穴
起業したばかりの旅行会社がよく設定するターゲットは、次のようなものです。
・旅行好きな人
・シニア層
・家族旅行
・団体旅行
しかし、これらは ターゲットとしては広すぎます。
例えば「シニア」と言っても、
・アクティブシニア
・高級旅行志向
・健康志向
・趣味旅行
・夫婦旅行
・友人旅行
など、ニーズは大きく異なります。
さらに旅行の目的も
・グルメ
・温泉
・歴史
・自然
・体験
・写真
など多岐にわたります。
つまり、ターゲットが広いほど、誰にも刺さらない商品になるということです。
売れる旅行会社がやっているターゲット設定
では、売れている旅行会社はどのようにターゲットを設定しているのでしょうか。
ポイントは 3つの軸です。
①誰に売るのか(顧客)
例
・50代女性の温泉好き
・写真撮影が趣味の人
・登山愛好家
・企業の社員旅行幹事
②何の旅行か(テーマ)
例
・鉄道旅行
・歴史ツアー
・グルメ旅行
・文化体験
・工芸体験
③どこへ行くのか(エリア)
例
・京都専門
・北海道専門
・離島専門
・韓国旅行専門
この3つを組み合わせることで、ターゲットが明確になります。
例えば、
「関西の歴史好き向け京都寺院ツアー」
「写真愛好家向け絶景撮影ツアー」
「企業幹事向け社員旅行プラン」
などです。
こうした形でターゲットを絞ることで、
・ホームページの内容
・SNS発信
・広告
・旅行商品の内容
すべてが明確になります。
小さな旅行会社ほどターゲットを絞るべき理由
旅行会社を起業したばかりの会社は、
・知名度がない
・広告費が少ない
・商品数も少ない
という状況です。
そのため大手旅行会社と同じような戦い方をすると、まず勝てません。
だからこそ必要なのが「小さな市場で1番になる」戦略です。
例えば
・京都の酒蔵ツアー専門
・仏像巡り専門旅行会社
・登山ツアー専門
・社員旅行専門
このように 分野を絞ることで専門性が生まれます。
専門性が生まれると、
・検索に強くなる
・口コミが広がる
・リピーターが増える
という効果が生まれます。
ターゲットが明確になると集客は劇的に変わる
ターゲットが明確になると、次のような変化が起こります。
ホームページが分かりやすくなる
誰に向けたサイトかが明確になります。
SNSの発信が刺さる
興味のある人に情報が届きます。
旅行商品が作りやすくなる
顧客ニーズに合わせて商品設計できます。
つまり、ターゲット設定は集客の土台なのです。