弊社では集客のほどんどをホームページに頼っています。
毎日4~6件の団体お問い合わせをいただいています。
しかし、このような旅行会社は珍しく、ほとんどの旅行会社では「ホームページはあるが・・・」という状態です。
ここではそのようなことにならないために、まずはホームページを作る前段階からのことを考えていきます。
目 次
なぜ旅行会社はホームページを作っても集客できないのか
旅行会社を起業する際、多くの方が「まずはホームページを作ろう」と考えます。
しかし実際には、立派なデザインのサイトを作ったにもかかわらず、問い合わせがほとんど来ないという相談が非常に多く寄せられます。
その原因は、制作会社の技術やデザインの問題ではありません。
最大の原因は、ホームページを「作ること」自体が目的になってしまっている点にあります。
旅行会社のホームページは、本来、会社案内ではなく「集客と営業を支えるための仕組み」です。
ところが起業初期ほど、事業設計が曖昧なまま、見た目やページ数から検討を始めてしまい、結果として誰にも刺さらないサイトが出来上がってしまいます。
特にこれから旅行会社を立ち上げる方や、異業種から参入された方ほど、
「作る前に何を決めておくべきか」が成果を大きく左右します。
決めるべきこと① 誰のための旅行会社なのか(ターゲットの明確化)
ホームページで最初に決めるべきことは、「誰のための旅行会社なのか」という一点です。
よくある失敗が、「個人も団体も法人も対応できます」という打ち出し方です。
一見すると間口が広く見えますが、実際には誰の悩みに応える会社なのかが分からず、結果として選ばれにくくなります。
旅行会社と一言でいっても、
個人旅行、社員旅行、自治体案件、教育旅行、インバウンドなど、顧客層によって求められる情報も判断基準もまったく異なります。
当然、ホームページに載せる内容や構成も大きく変わります。
起業初期に重要なのは、「誰でも」ではなく、「まずは誰に強く刺さる会社になるのか」を決めることです。
ターゲットを絞ることは、可能性を狭める行為ではなく、選ばれる確率を高めるための戦略です。
決めるべきこと② 何を一番売りたい旅行会社なのか(主力商品・テーマ)
次に決めるべきなのは、「このホームページで一番売りたいものは何か」という点です。
多くの旅行会社サイトでは、複数の旅行商品や対応サービスが並びますが、起業初期にそれをやってしまうと、強みが分からないサイトになります。
旅行会社のホームページで重要なのは、
「この会社といえばこれ」と連想されるテーマを作ることです。
例えば、社員旅行に強い会社なのか、地域体験に特化した会社なのか、教育旅行なのか、インバウンドなのか。
まずは一つのテーマを決め、そのテーマに特化した情報を深く発信していく方が、検索でも問い合わせでも成果につながりやすくなります。
起業初期は、総合型よりも専門特化型の方が圧倒的に有利です。
ホームページは、その専門性を伝えるための媒体であるべきです。
決めるべきこと③ 自社が選ばれる理由は何か(強み・差別化ポイント)
「親切に対応します」「実績があります」「丁寧にサポートします」
こうした表現は多くのホームページで見かけますが、残念ながら差別化にはなりません。
重要なのは、なぜ数ある旅行会社の中で自社が選ばれるのかを、自分の言葉で説明できるかどうかです。
異業種から参入された方ほど、実は大きな強みを持っています。
営業力、ITスキル、マーケティング経験、地域とのネットワーク、企業との人脈などは、旅行業においても十分に武器になります。
しかしそれを「自分の経歴」として語っても、顧客には価値として伝わりません。
大切なのは、「その強みによって、顧客は何が楽になり、何が良くなるのか」という視点です。
自社の強みを、旅行会社として提供できる価値に変換して言語化することが、ホームページの核になります。
決めるべきこと④ 問い合わせまでの流れをどう作るか(導線設計)
旅行会社のホームページは、見てもらうだけでは意味がありません。
最終的に問い合わせにつながらなければ、営業ツールとして機能していないからです。
多くの失敗サイトでは、
「情報は載っているが、次に何をすればよいか分からない」状態になっています。
基本となる導線は非常にシンプルです。
悩みや課題に共感するページがあり、
自社の強みや事例が示され、
相談や問い合わせへ自然につながる流れを作ることです。
起業初期に必要なページ構成も、実はそれほど多くありません。
トップページ、サービス紹介、強み・特徴、簡単な実績や事例、問い合わせページ。
まずはこの最小構成を、ターゲットに合わせて丁寧に作ることが重要です。
ページ数を増やすことよりも、導線を明確にすることが成果を左右します。
決めるべきこと⑤ 集客方法をどう設計するか(SEO・紹介・営業との連動)
ホームページを作っただけで、自動的に集客できるわけではありません。
ホームページは、あくまで集客活動の受け皿です。
よくある失敗が、「SEOだけで集客しよう」と考えてしまうことです。
確かに検索対策は重要ですが、起業直後に安定して検索流入を獲得するのは簡単ではありません。
重要なのは、紹介、営業、SNS、既存の人脈など、
自分が現実的に動かせる集客手段と、ホームページを連動させることです。
例えば営業で名刺交換した相手が、後からホームページを見て問い合わせる。
紹介された相手が、サービス内容を確認するためにサイトを見る。
こうしたケースでも、ホームページは大きな役割を果たします。
ホームページ単体で集客を完結させようとせず、全体の営業活動の中でどう使うかを設計することが重要です。
よくある失敗パターン|先に制作会社へ依頼してしまう
よく見られるのが、「とりあえず制作会社に相談する」という流れです。
もちろん制作会社の存在は不可欠ですが、事業設計が固まっていない状態で依頼してしまうと、表面的なヒアリングだけでサイトが作られてしまいます。
ヒアリングシートに答えただけで、ターゲットや強みが整理されるわけではありません。
また、「何ページ必要か」「どんな機能がいるか」といった話から入るのも危険です。
ホームページ制作と事業設計を同時に進めるのは、想像以上に難しいものです。
まず自分の頭の中で、事業の軸を整理してから制作に入る方が、結果的に無駄な修正や作り直しを減らせます。
旅行会社起業時のホームページ設計で最も重要な視点
起業時のホームページは、集客装置というよりも「営業ツール」として考える方が現実的です。
営業の代わりに説明し、信頼を補完し、問い合わせの後押しをする存在です。
小さな旅行会社ほど、担当者の顔や考え方、専門性が見えるホームページは大きな武器になります。
規模では大手に勝てなくても、分かりやすさや安心感では十分に勝負できます。
そのためには、見た目よりも設計が重要になります。
まとめ|ホームページは最後に作るもの、設計は最初にやるもの
旅行会社起業において、ホームページは非常に重要なツールです。
しかし、それは「作ること」よりも「作る前の設計」がすべてと言っても過言ではありません。
今回紹介した、
・誰に向けた会社なのか
・何を一番売りたいのか
・なぜ選ばれるのか
・どう問い合わせにつなげるのか
・どう集客と連動させるのか
この5つを事前に整理するだけで、ホームページで失敗する確率は大きく下がります。
ホームページは最後に作るもの。
そして、設計こそが最初にやるべき仕事です。